ラオスでの沈下橋建設に向け、駐ラオス日本大使と合意書を締結しました

現在JIPでは、ラオス人民民主共和国にて沈下橋を建設するために準備を進めております。2022年のミャンマーでの完工以降、他国での沈下橋建設の可能性を調査していたところ、隣接するラオス共和国にも雨期になると孤立してしまう集落が存在し、沈下橋の有用性が高いことが分かりました。しかしながら、ラオス政府、地域住民および建設業者との関係をゼロから構築するという高いハードルがあり、実現に至るまでにはとても長い道のりでした。今回ようやく外務省による資金援助の目途が立ち、ビエンチャンにおいて駐ラオス日本国大使と合意書の締結に至りました。順調に進めば、年内にもラオスで初の沈下橋を建設することができます。引き続きご支援の程、よろしくお願いいたします。

現地の新聞Vientiane Timesに調印式の様子が掲載されました。

(日本語訳)

日本、ルアンパバーンの橋建設に資金提供

写真:小林賢一駐ラオス大使(右)と中尾忠彦ジャパン・インフラストラクチャー・パートナーズ代表。

(タイムズ記者)
 日本政府は、ルアンパバーンにおける雨季の交通改善のための水中橋建設に無償資金協力を行った。
 小林賢一駐ラオス日本国大使は、日本インフラパートナーズの中尾忠彦代表と、各省庁の代表者が立ち会う中、「日本のNGOプロジェクトに対する無償資金協力に関する合意書」に署名した。
 このプロジェクトでは、日本は交通アクセスを改善するため、Pak-Ou、Phonxay、Pakxeng地区における3つの水中橋の建設に約64万米ドルを提供する。同時に、水中橋技術の利用を説明するワークショップも開催される。
 ジャパン・インフラストラクチャー・パートナーズを代表し、中尾忠彦氏は「私たちのプロジェクトに資金を提供してくださる大使館との助成金協定に大変感謝し、光栄に思います」と述べた。
 ジャパン・インフラストラクチャー・パートナーズは、日本の国土交通省に勤務していた人たちが、退職後に発展途上国のインフラ整備に貢献するために結成した団体である。
 「ラオスの多くの村が、雨季になると自動車交通網から遮断され、大変不便な生活を強いられていることを知り、この水中橋建設プロジェクトに資金を提供することにしました。工事が順調に進み、地元住民の喜ぶ顔が見られることを願っています」と忠彦氏は語った。
 小林大使によると、ルアンパバーン県は国内外から多くの観光客が訪れる世界遺産の街で、近年はラオス中国鉄道の建設を中心にインフラ整備が進んでいる。
 その一方で、雨季に河川の水位が上昇すると、県内の多くの場所が通行止めになる。
 このような状況は、地域住民の経済や生活に大きな影響を与え、同県の生活格差の拡大につながる可能性があると大使は述べた。
 「今回の支援により、これら3地区の人々の交通アクセスが改善され、経済活動の活性化と生活環境の改善が図られ、将来の持続可能なインフラ整備の基礎が築かれることを期待しています」と付け加えた。
 日本のNGO無償資金協力は、日本の国際協力NGOが開発途上国・地域において自主的に計画・実施する経済・社会開発プロジェクトに対し、外務省が供与するものである。
 ラオスのインフラ、教育、保健、不発弾、観光などの社会経済開発目標を支援するため、日本政府は過去5年間、日本のNGOを通じて1,300万米ドル以上を提供してきました。
 社会経済開発における地域間格差に対処するための共通の取り組みとして、日本は今後もNGOと積極的に協力し、「誰一人取り残さない」ことを確実にするため、ラオスの草の根レベルでの基本的生活水準を向上させる取り組みを支援していきます。

Vientiane Times 2024/2/15 第3面